街と建築
Architecture and Urbanism
ベルリンのいま。
ベルリンの壁の象徴だった、ブランデンブルグ門の下にアンダーパスが出来るそうだ。たしかにブランデンブルグ門は通行を度外視してそこにあり続けたわけで、今となっては一日中続く渋滞は目に余る。かといってお江戸日本橋の上に高速道路を通してしまうような無粋なアイデアはすぐに破棄されたのだろう。きれいに修復された東西ドイツ分裂の象徴は観光名所として永遠に存在する使命を受けたかのように、燐として建っている。そのブランデンブルグ門から歩いて15分程のポツダム広場を中心に大規模な開発が進んでいる。ピアノ+コールベッカーのコンペ案を基軸としたこの開発はダイムラーベンツやソニーなど、優良企業を巻き込んですさまじい勢いで進んでいる。

磯崎、ロジャース等著名建築家の参画がいまのドイツの力を感じさせるが、現場を訪れて感じる勢いはヨーロッパのどの都市でも感じるものと同じく一般市民の注目度の高さだろう。広場の中心に位置する
InfoBox には、多くの市民がおとずれ5マルクを投じて、階段でその屋上まで上っていく。EC統合の牽引車を自負するドイツの今を誇示するかの様にライブカムで広場を中心とした映像が全世界に流される。"閑""国民性"などと簡単に言い切れないそのエネルギーにベルリンの今を感じてしまう。